How-to料理写真の撮り方

料理写真を美味しく撮る方法とは?

料理写真を美味しく撮る方法は意外と知られていないものです。
プロがどんな風に撮影しているか、また一般の方でも「ブログやHPに載せたいけど上手に撮れない」という声をたくさん聞きます。
そこで今回はデジカメを使って簡単に撮影できる料理写真のコツを教えていきます。

STEP.1 料理写真は光が大切!

料理写真を美味しく撮る条件に、「光」はとても大切になってきます。

料理写真の基本は逆光もしくは斜光で撮るときれいに撮れます。逆光とは、テーブルの上に料理があれば、その料理の向こう側から光が入ることです。斜光は右や左上側から入って来る光の事です。

光が反対側から来ると手前は暗くなり、前の部分が見えにくくなる、と思われるかもしれません。けれども、実際に撮影してみると、影が前にくることで、少し立体感がでている事にも気づくと思います。これが見たときに平坦でない、立体感のある料理写真に仕上げるコツなのです。暗くなった部分は、レフ板といって白い紙やアルミホイルで、向こう側から来た光を反射させて、手前を明るくすると良いでしょう。

家で撮影するなら、窓がある所に料理を持っていきます。窓にレースのカーテンがあれば光が強すぎず、やわらかい光になるので、なお良い条件となるでしょう。何も絶対テーブルで撮らなくてはならないというルールはありません。どんどん移動して最良の条件のもとで撮影してみましょう。

STEP.2 主役を決めよう

「料理を撮ってください」というと、みなさんの撮り方を見ていると、ほとんどの方が、テーブルに乗っているお料理を、そのまま全部ファインダーの中に入れてシャッターを切っている方が多いです。

やはりここはひとつ落ち着いて、まずは写真の主役を決めましょう。
例えばケーキセットのようなものを撮影する場合には、そこにあるコーヒーから、砂糖からケーキまで全部撮るのではなく、ケーキを主役にしてあげて、そのケーキをかなりアップ目で撮ってみてください。
どれも入れるのではなく、どんどん周りのものを入れないでカットしていく。
これを写真用語で「引き算の写真」といいます。これはとても大事な要素です!

そしてケーキの端の方にちょっとだけコーヒーカップが見えていたり、奥の方にぼんやりと花が見えていたりと。
そんな構図ならケーキが主役であり、その周りの小物がそのケーキを引き立ててくれます。これだけでも十分にケーキの美味しそうなイメージが伝わってくるはずです。

STEP.3 構図を決めよう

絵やデザインに、人が見たときに無意識に落ち着いて見える「黄金の比率」というのがあるのを知っているでしょうか?黄金比はパルテノン神殿やピラミッドといった歴史的建造物、美術品の中に見出すことができる自然界の中で決められた比率です。写真もこれがとっても重要なのです。

しかし難しい理屈は抜きにして、はじめは、いつもの構図から少しどちらかに余白を多く作って撮影をしてみてください。大抵の場合、みなさんが写真を撮ると、写真の主役は画像の中心にどーんとあります。これをお弁当の日の丸弁当のようにご飯の中心に梅干し(主役)がある事から「日の丸構図」とも言われているようです。

記念写真を思い出してください。例えば後ろにお城があり、人が5人ぐらいいる記念写真を撮るとします。たいていはせっかくだから、お城も入れましょう。あら後ろの木も素敵ね。そして人物も入れましょう。となると撮影する人がどんどんと後ろに下がっていき、そこでシャッター!

出来上がりは、人が真ん中にいて、お城も、人も、木もみんな小さく写ってしまい、本当の記念写真になってしまいます。これがまさに日の丸構図の写真なのです。

この構図ですとどうしても素人っぽい写真の仕上がりになります。そこで、ちょっとだけどちらかに主役を振って、左の空間を多く取るなどちょっとカメラを振って撮影してみてください。意外と落ち着いて見える写真になると思います。これだけでいつもの写真はずいぶん違ってみえるはずです。

STEP.4 料理写真は望遠で遠くから!

私たち料理写真家は料理を撮影する時は実は中望遠や望遠レンズを使っています。これは意外と知られていない事です。望遠レンズとは、デジカメの場合、遠くのものを撮影する時に使うレンズです。実は料理のアップ写真は、カメラを近づけて撮っているのではなく、遠くから望遠レンズを使ってアップ目で撮っているのです。

なぜ望遠レンズかというと、望遠で撮る事で料理がぎゅうぎゅうに詰まっているよう見え、それが立体感や質感を出して、全体的に締まっているような写真になるのです。

みなさんの写真スタイルを見ているとほとんどの方は、料理に近づいて広角側(広く撮るときに使うレンズ)で撮影しているケースが多いようです。これでは料理がゆがんでしまい、なおかつ主役がどれかわからなくなってしまいます。

料理写真は料理から離れて望遠で撮る!これが基本です。ぜひ一度トライしてみてください。

小物を使おう

基本ができたら、次はちょっと主役にエッセンスを加えてみましょう。
いろんなケースがありますが、簡単なのはさきほどのケーキであればケーキのお皿にフォークを添えてみるだけで随分商品がいきいきしてきます。あるいは、ケーキの下に色のある布を敷いてみたりするだけでも温かさが表現できます。

さらに雑誌風に撮るなら、手前にコーヒーを置いてちょっとだけコーヒーを見せながら、ケーキにピントを合わせてコーヒーをぼかして撮ると立体感のある写真ができあがります。あとはいろいろ試してみてください。

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